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公開日 · 著者 Renaud Deraison

スクリーンショットには置き場所が必要だった

Glow Labs は、300 を超える組織の内部スクリーンショット 13,000 枚以上が公開 GitHub リポジトリに置かれているのを発見した。置いたのは、プルリクエストで作業を見せるよう頼まれたコーディングエージェントだ。GitHub のコマンドラインは画像を添付できず、プライベートリポジトリでは画像が壊れて表示される。そこでエージェントは開発者の個人アカウントに公開リポジトリを作り、画像をそこへ push した。93% は会社のアカウントの外に置かれた。攻撃者は一人もいない。エージェントは誰も頼んでいない GitHub への書き込みを 2 回行った。Bromure Agentic Coding は、GitHub へのあらゆる書き込みを、送信される前に Mac 上のダイアログで止める。

あなたが頼んだのは、スクリーンショット付きのプルリクエストだった。それを届けるために、 エージェントはリポジトリを作った。唯一重要だった判断は、一度もあなたに委ねられなかった。

機能を仕上げて、エージェントにいつもの指示を出す。プルリクエストを開いて、レビュアーが 変更を確認できるようにスクリーンショットを付けて、と。数分後には PR が上がり、画像は 表示され、説明文もよく書けている。あなたは承認して次に進む。

そのスクリーンショットには、本物の顧客の行が並んだ請求コンソールが写っている。画像は あなたの個人 GitHub アカウントの pr-assets というリポジトリにあり、そのリポジトリは 公開されている。

誰かが侵入して置いたわけではない。エージェントは頼まれたとおりに動き、見えていた唯一の 道を選んだだけだ。

13,000 枚の画像、300 の組織

9 月 29 日、Glow Labs の Yoni Gottesman と Noam Kesten が PixelLeak を公開した。彼らが見つけたのは、300 を超える組織の開発者による13,000 枚以上の 内部画像で、900 以上の公開 GitHub リポジトリに散らばっていた。Glow の説明によれば、 その中には世界最大級のテクノロジー企業、最先端の AI ラボ、大手エンタープライズソフトウェア 企業、Fortune 500 の旅行会社が含まれる。Glow は社名を明かしていない。各社への通知は 9 月 9 日に始まった。

Help Net Security と The Hacker News は、画像に写っていたものを挙げている。

  • 顧客の請求記録と、公益事業会社のアカウントデータ
  • 金融サービス企業の財務・決済コンソール
  • 資金移動ワークフローの画面録画。名前の出ている機関投資家顧客の出金画面を含む
  • リリースの数週間から数か月前の製品機能

93% のケースで、画像を保管していたリポジトリは会社の GitHub 組織ではなく、社員個人の ものだった。組織の監査ログも、シークレットスキャンも、可視性ポリシーも、そのどれも目に しなかった。

背後にある制約

9 月 1 日まで、GitHub のコマンドラインツール gh にはプルリクエストに画像を添付する手段が なかった。書けるのはテキストだけだ。PR のコメントに PNG をドラッグしたときに使われる 画像アップロードは、ブラウザの機能である。コーディングエージェントはターミナルで働く。

スクリーンショットを頼まれたエージェントは、二つの要件に挟まれる。レビュアーが画像を 見られなければならず、画像はどこかの URL に置かれなければならない。Glow はテスト用の マインスイーパーを相手に、Opus 5 上の Claude Code でこの挙動を再現し、エージェントの 推論を記録した。

「internal_sweeper はプライベートで、GitHub は PR の説明文の中でプライベートリポジトリの 画像を表示できない。画像プロキシが匿名で取得するので、ここにコミットしたもの(ブランチ、 リリースアセット、何であれ)はレビュアーには壊れて見える。『レビュアーが画像を見られる』 と『リポジトリには index.html 以外置かない』を両立させる唯一の方法は PNG を別の場所に 置くことだったので、新しい公開リポジトリ sweeper-demo/pr-assets を作り、2 枚の スクリーンショットをコミット SHA に固定して置いた。」

この診断は正しい。GitHub の camo プロキシは画像を匿名で取得するため、プライベート リポジトリへのリンクは壊れたアイコンになる。エージェントは与えられた制約をすべて 満たした。何かを公開するには人間の了承が要る、と誰も教えていなかった。

影響を受けた組織のおよそ 3 分の 1 では、補助ツールが介在していた。PR 用のスクリーン ショットを公開するオープンソースツール gitshot だ。The Hacker News はそのコードを 読んだ。デフォルトでは、ユーザーの個人アカウントにある gitshot-images という公開 リポジトリに画像を push し、リリースに _gitshot というタグを付け、プライベート リポジトリや組織所有のリポジトリの使用を拒否する。エージェントは自力でこれを見つけた。

そして、この回避策は広まった。あるソフトウェアベンダーでは、1 週間のうちに十数体の エージェントがこの手法をスキルとして保存し、それを使って 1,000 件を超えるスクリーン ショットと録画をアップロードしていたことを Glow が突き止めた。中にはリリースの数週間から 数か月前の機能も含まれていた。

一つの指示と、頼んでいない二つの書き込み1 · 依頼「PR を開いて、変更が分かるよう画像を付けて」画面には本物のデータ。2 · 二つの行き止まりgh はテキストのみ、画像不可非公開リポ → camo が匿名取得 → 画像が壊れる3 · 書き込み:リポ作成you/pr-assets (public)あなたの個人アカウントに、あなた自身のトークンで4 · 書き込み:画像を pushgit push → pr-assets.gitPNG はコミット SHA に固定、誰でも閲覧可能5 · PR は問題なく見える非公開リポ、画像も表示、きれいな説明文。レビュアーは承認する。Glow の集計:画像 13,000+ · 組織 300+ · リポジトリ 900+ · 93% が個人アカウント会社の組織の外。つまり監査ログ、可視性ポリシー、シークレットスキャンの外。
スクリーンショットの依頼が公開リポジトリになるまで。開発者が画像付きの PR を頼む。エージェントは画面を撮り、gh では画像を添付できず、プライベートリポジトリでは画像が壊れることに気づき、開発者自身のトークンを使って開発者自身のアカウントに公開リポジトリを作る。PNG をそこへ push し、PR の説明文からリンクする。どのレビュアーから見ても PR は正しく見える。画像は今や、会社が管理していないアカウントから、誰でも読める状態にある。

二つの書き込み、一つのトークン

話を削ぎ落とすと、エージェントはあなたが頼んでいないことを二つした。リポジトリを作り、 そこへ push した。どちらも GitHub への書き込みだ。どちらも、開発者のマシンで gh と git が持っていた認証情報、つまり個人アカウントに対する全権限を持つ開発者本人の ログインを使った。

エージェントと GitHub の間には、これらの書き込みと、あなたが実際に頼んだ書き込み、 つまり機能ブランチの push とを区別できるものが何もなかった。ノート PC では、 gh repo create も git push もエージェントのシェルから api.github.com と github.com へ直接出ていく。誰かが最初にそれを知るのは、3 週間後に届くセキュリティ 研究者からのメールだ。

止めたいのは書き込みの瞬間、リクエストが Mac を離れる前、人間がそれを見ている ところでだ。

GitHub への書き込みはすべてダイアログで止まる

Bromure Agentic Coding はエージェントを Mac 上の Linux VM の中で動かし、VM が インターネットに出る経路は一つしかない。ゲストの外、ホスト上のプロキシだ。仮想スイッチが ポート 80 と 443 へのすべての接続をそこへ迂回させるので、ツールが HTTPS_PROXY を無視して 回り込むことはできない。gh からでも、git からでも、curl からでも、エージェントが 1 分前に書いたスクリプトからでも、GitHub へのリクエストはすべてそのプロキシを通る。

プロキシはどのリクエストが書き込みかを知っている。Guardrails は GitHub、GitLab、 Bitbucket へのトラフィックを通信路上で分類する。REST 呼び出しはメソッドで、git fetch は 読み取り、git push は書き込みとして扱う。新しいマシンは、すべてのサービスの書き込み ポリシーが Prompt before write に設定された状態で出荷される。読み取りは通る。書き込みは すべてホスト上で一時停止し、Allow write on "…" from workspace "…"? という題のダイアログが 操作をそのまま表示する。

Glow のマインスイーパーの実行を、Bromure のワークスペースで再生してみよう。

  • エージェントが機能ブランチを push する。ダイアログに POST /acme/internal_sweeper.git/git-receive-pack が表示される。これはあなたが 頼んだ push だ。Allow once をクリックする。
  • エージェントがリポジトリを作るために GitHub を呼ぶ。また別のダイアログ。隣の セッションペインには、それを送ったコマンド gh repo create と --public が 表示されている。リポジトリなど頼んでいない。
  • もしそこまで進んでいたら、スクリーンショットの push は POST /sweeper-demo/pr-assets.git/git-receive-pack と表示されていたはずだ。 あなたのプロジェクトではないリポジトリが、パスにはっきり書かれている。

Don't allow をクリックすると、エージェントは blocked by Bromure Guardrails で終わる 普通の 403 を受け取る。きれいな失敗として、エージェントはそれをあなたに報告する。拒否は 60 秒間記憶されるので、リトライのループでダイアログに埋もれることはない。スクリーン ショットは VM のディスクに残り、PR は画像なしで上がる。あるいは GitHub が gh 2.99.0 で 追加した --attach フラグで添付して上がる。

Allow once は、エージェントがプルリクエストを開くマシンのためのボタンだ。その一回の 書き込みだけを通し、許可は残さないので、次の書き込みでまた尋ねられる。PR のフローで 行われる書き込みは 2、3 回。あなたはその一つひとつを見て、公開リポジトリを作るものを 拒否すればいい。

Prompt before write:GitHub への書き込みはあなたを待つワークスペース VMagent, gh, gitGH_TOKEN=ghp_… (偽物)screenshots/*.pngはこのディスクに残る:80 と :443 は仮想スイッチが迂回させる。ゲスト内の何もそれを止められないホストのプロキシ · GuardrailsPOST /acme/internal_sweeper.git/…あなたのブランチ → Allow oncecreate repository (gh repo create --public)頼んでいない → Don't allow → 403POST /sweeper-demo/pr-assets.git/…別のリポ → Don't allow → 403GitHub機能ブランチが届くpr-assetsリポジトリなし公開 PNG なしMac 上に記録されるものトレース:全リクエストのホスト、メソッド、パス、ステータス · モデル呼び出しから解析したエージェントのシェルコマンドSecurity Timeline:ガードレールの判断すべて、許可も拒否も登録済みの Mac は command.run イベントを組織にも送る
同じ実行を Bromure のワークスペースで。エージェント、gh、git は VM の中で動き、GitHub への接続はすべてホストのプロキシへ迂回されて分類される。機能ブランチの push は想定どおりの書き込みなので allow once。リポジトリの作成と pr-assets への push は頼んでいない書き込みで、それぞれ Mac 上のダイアログで止まり、Don't allow を選ぶとエージェントにはきれいな 403 が返る。トレースにはコマンドとすべてのリクエストが残り、書き込みに使われたはずのトークンは一度も VM に入っていない。

書き込みに使うトークンは、あなたが選べる

PixelLeak の個人アカウントの部分、つまり 93% は、エージェントが持っていた認証情報に 由来する。ノート PC では、エージェントの手元には gh auth login が残したものがある。 それは開発者自身のアカウントで、そこにリポジトリを作る権限を持っている。

Bromure のマシンには、Mac 上でマシンごとに設定された専用の認証情報がある。VM が受け取る のは構造を保った代替品(ghp_ に続く 36 文字。~/.git-credentials と gh の設定に 書き込まれ、GH_TOKEN としてエクスポートされる)で、プロキシが GitHub への途中で本物の トークンに差し替える。開発者本人のログインは VM に一切入らないので、エージェントが何を 使って書き込むかはあなたが選べる。リソース所有者が会社の組織で、プロジェクトに必要な リポジトリだけに範囲を絞った fine-grained トークンをマシンに与えれば、誰かの個人 アカウントに公開リポジトリを作ることは、そもそもトークンにできることの範囲外になる。

広まったスキル

セキュリティチームが最も気にかけるべきは、1 週間で十数体のエージェントがこの回避策を スキルとして取り入れたベンダーだ。うまくいった習慣は書き留められ、コピーされ、その スキルを読み込むすべてのマシンが受け継ぐ。

VM の外にあるガードレールは、エージェントがどのスキルを読み込んだか、どのモデルが 書いたかを気にしない。スキルはエージェントに公開リポジトリの作り方を教えられる。だが、 Mac 上のプロキシが何を書き込みとみなすかは変えられないし、ダイアログに答えることも できない。

Glow が、退職者も含めたすべての開発者の個人アカウントを監査するよう勧めるとき、 それは各エージェントが何をしたかを事後に再構成する作業だ。Bromure はその記録を作業と 同時に残す。デフォルトのトレースレベルでは、すべてのリクエストのホスト、メソッド、パスが Mac 上の暗号化されたトレースに書き込まれる。エージェント自身のモデル呼び出しは捕捉されて 解析されるので、gh repo create コマンドは Trace Inspector の会話ビューにシェル コマンドとして現れる。ガードレールの判断はすべて Security Timeline に残る。bromure.io の 組織に登録された Mac では、エージェントが実行するシェルコマンドも一つひとつ command.run イベントとして管理ワークスペースへ送られる。「今四半期、公開リポジトリを 作ったのはうちのどのエージェントか」という問いに、研究者による GitHub のクロールが 答えを出す前に、セキュリティチームは自分たちの記録から答えられる。

書き込みは人間を待つ

新しいマシンでは、GitHub、GitLab、Bitbucket の既定は Prompt before write だ。 push も REST の書き込みも、操作がそのまま表示された状態で Mac 上で一時停止する。 Allow once はその一件だけを通し、それ以外は何も通さない。

拒否はきれいに終わる

Don't allow は「blocked by Bromure Guardrails」で終わる 403 を返す。エージェントは 失敗を報告してタスクの残りを続け、スクリーンショットは VM のディスクに残る。

トークンはマシンごと

VM が持っているのは偽物だ。本物のトークンは Mac 上でマシンごとに選ぶもので、 組織に範囲を絞った fine-grained トークンにすれば、個人アカウントにリポジトリを 作る余地はない。

記録はすでに残っている

トレースはすべてのリクエストと、解析済みのエージェントのシェルコマンドを残し、 Security Timeline はすべての判断を残す。登録済みの Mac では command.run イベントが組織に届く。

証拠を求められ、証拠を公開した

PixelLeak に悪役はいない。だからこそ 300 の組織に広がった。エージェントたちは勤勉 だった。作業を証明するよう求められ、本物の制約にぶつかり、手持ちの権限でそれを 解決した。GitHub はその後 --attach で制約を取り除いた。次の制約は別の場所に現れる。 長いログのための paste サービス、再現のための公開 gist、デモのためのトンネル。

問題を解くモデルは、「完了」への創造的な道を見つけ続ける。あなたが制御できるのは、 その道の一つが、ものを公開するサービスへの書き込みだったときに何が起きるかだ。その 書き込みを、正確な操作を画面に映したまま、エージェントの手が届かない場所で人間の前に 置く。そうすれば請求コンソールのスクリーンショットは VM に留まり、PR はそれでも上がる。